かつて、悪質出会い系業者のもと、実は俺はバイトとして働いていた。その時の様子を思い出して書いてみるが、「こんな感じでサクラやってんのか…クズどもが…」と、憎悪を燃やす材料にしてもらいたい。
そして、そんなサクラの特徴をもとに、出会い系のサクラを見分ける方法を解説していくぞ。
悪質出会い系アプリのサクラバイト、実態はこうだ!
出会い系アプリのサクラバイト、その流れとは?
そもそもバイトの求人はどうやっているのか。当然「サクラ」としては募集できないので「メールオペレーター」という名目になっている。
実際にやることは完全にサクラで、男性の相手なんだが、社内でも「サクラ」って言葉は使いたくないらしく、我々サクラバイトは「オペ」「メルオペ」とか呼ばれてた。
こういう出会い系サクラバイトの募集広告だが、ちゃんとした求人誌や求人サイトにはまず載っからない。やっている仕事が、仮に法に触れていなくても真っ当じゃないのはよくわかっているから、掲載拒否されるんだ。
ちょっとマイナーな、怪しい仕事でもオッケーですよ的な求人誌やフリーペーパーでの募集になるのが基本だな。
「曜日や時間はシフト制で自由」「歩合制で稼げる!」「金髪OK」「休憩は自由に取っていいです」「仕事中音楽聞いてていいです」という言葉が並んでる求人は100%サクラバイトの募集だな。
仕事現場だが、俺がバイトしていた悪質業者だと、ワンフロアに50台ぐらいのパソコンがズラーッと並んでおり、ひたすらそのパソコンに向かってカタカタとサクラが業務を行っていた。
規模の大小はあるだろうけど、他も大体こんな感じじゃないかな。パソコンの画面はユーザーが使う画面ではなく、その裏側と言えるアプリの管理システムというのがあって、そこにログインすると自分がどんな女性キャラをハンドリングしてて、どんな会話をしてるかの履歴がズラッと見れたり、入会してきたリアル男性の情報が検索できたりするわけだ。
仕事の流れは、例えば自分が女性キャラA(20歳のフリーター)、女性キャラB(35歳の会社経営者)をハンドリングしてたとする。本当はもっと多いんだが、まあ話をわかりやすくするために2種類で説明しよう。で、キャラAで2時間以内に新規入会した男性を検索し
「プロフ見たんだけど、感じいいなと思ってメッセしました(^o^)/ 会ってみたいー!」
みたいなメッセージを無差別に送りつける。
例えばこんな感じで…
これをこの業界では「アタック」と言ったりするぞ。
その合間にキャラBでは入会3日経過して全然動かなかった(いままでのアタックでは反応しなかった)男性に
「今日エッチできる人ですか? 50万ぐらいならすぐに用意できます。ひと晩一緒に過ごして欲しい」
とエグめの、モロに逆援の誘いでアタックするって感じだ。ちなみに検索条件とかメッセージの内容はあくまで一例だ。
そして、例えば何百人に送ったアタックに返事がポツポツ返ってくるから、そこからは個別の会話がスタート。
サクラ側の基本メソッドとしては常に質問を投げるようにすること。質問することによって、相手は返事しなきゃと思うし、かつ相手の情報が取れる。とくに住んでいる場所は会話をつなぐのに重要だから、サクラとしては聞くのはマストだったな。
例えばサクラが「どこ住みですか」と聞いて、男が「西調布駅の近くだよ」と返せば、管理画面のメモ機能を使って「西調布駅近く在住」と保存して、ネットの検索を使って「私も近く!たしか駅前にローソン100あるよね?」みたいに、行ったことも聞いたこともない駅なのにさも知ってるフリをして親近感を演出するというのが王道だ。
そしてこれが肝心で、男性が持っているポイントは管理画面に表示されている。で、無料ポイントが切れそうになる寸前の会話で、直アドやSNSのIDを教える“かも”、もしくはいますぐ会える“かも”、みたいな雰囲気を出して課金させるのがサクラの腕の見せどころ。
出会い系のサクラは95%が男性!
どんな人間がサクラのバイトをしてたかというと、9割が、いや95%が男性だ。
男性が女のフリしてエロいメールをやりとりするなんて「キモッ」と思われるかもしれないけど、男性のほうが男性の気持ちがわかるし、基本会話はマニュアルに従い割り切って送るから平気だってわけ。
俺も最初は「これはどうかな…」と思ったんだが、慣れってのは怖いもんで、普通に女性(それも何十というキャラの)になり切って会話することができた。
俺は女性じゃないから想像するしかないが、やっぱり本当の女の子がこのバイトやるのはそれこそ気持ち悪くて抵抗感あるんじゃないだろうか。
「メールオペレーター」がなんなのか、よくわからない状態で面接に来て、話を聞いて辞退するか、もしくは始めて二日三日で辞める…というのがパターンで、精神的にタフな女の子が5%ぐらい残ってる、という感じだったな。
出会い系のサクラバイトは歩合制で月給100万も夢じゃない!?
もちろん男性だって道義的に、そして法律的にどうなの?と感じてバタバタ辞めていく。残るのはこういうバイトでも“心が痛まない”、ちょっと変わった連中が多い。まあ、俺もそうなんだけど。
多かったのが売れないバンドマン、売れない役者。あとはコミュニケーション能力がイマイチで、他の普通のバイトじゃちょっと厳しいでしょ…みたいな感じの面々。
バンドマン系はシフトの都合がいいのと外見がどんなんでも問われないあたりがよかったみたい。で、コミュ障っぽい人は、考えればわかるかもしれないが基本ずっとパソコンに向かって作業してればいいわけで、人と一切しゃべらなくても仕事が成立するって意味でやりやすいんだろう。
もちろん他にもそういう仕事はあるんだけど、魅力はやっぱり高収入。上で書いたように、人が入っては辞めていく職場。いま流行りの言葉で言うとコンプラ無視のブラック企業。そんなわけで、好待遇で繋ぎとめるのが悪質業者のやり方だ。
あと単純に、何かモノを作って売るわけじゃない、言わば形のない「会話」を売っているようなものだから、「人ありき」でそこに金を掛けるしかない。
業者によって千差万別だろうが、自分のペースでパソコン作業してるだけで時給1500円前後プラス歩合が貰えるっていうのは、他では絶対ありえない好待遇。
俺はいちばん頑張った月でMAX40万ぐらいだったけど、月給100万オーバーいった同僚もいた。25歳とかでだぞ。
コピペ、ショートカット、タイピングといったパソコンの基本スキルが高く、頭の回転が速いとそれぐらいも夢じゃない。まあ、あのぐらいの奴だと普通にサラリーマンやってても出世したかもしれないけどな。
常時接続のパソコン使い放題。サクラバイトとしては一定のノルマをクリアし、あとは自分がどれだけ稼ぎたいかで頑張る、頑張らないは自由だから、いろんな人がいたな。
会社のサーバーがパンクするまでエロ動画落としまくるとか、ひたすらヤフオクをチェックするとか… “頑張らない派”で凄いバイトだと朝10時に出勤して昼までにノルマクリアし、休憩に出て夜22時にタイムカードだけ押しに帰ってくる人がいたな。その休憩時間に、他のバイトをしてたって訳。逆にすごい…。
悪質なサクラ出会い系アプリに騙されないために!
序盤の「アタック」に騙されるな
思い出話はこのぐらいにして。要はサクラバイトの実態を知ってもらって、そこから出会えない悪質出会い系アプリの傾向を掴んで欲しいんだ。
「アタック」の話をたが、あそこで“無差別に”と書いたように、どんな地域、どんなプロフの相手にも通用するようなフワッとしたメッセージがアプリを始めてすぐに飛んできたら、それはサクラだ。
アプリをインストールし、始めたばっかりのときは男性側も会話する意欲満々だから、そこを狙うのはサクラの常道。新規入会者へは“何分以内にサクラから最初のアタックをかけること”みたいなルールが悪質業者のなかに存在してる。
とにかく、始めて数時間で何通もメッセージが届くようなアプリは悪質サクラアプリ。すぐにアンインストールしていいと言えるな。
逆援などの過激な「アタック」にも騙されるな!
で、女性キャラB(35歳の会社経営者)によるアタックの話もしたが、要は普通のアタックで動かなかった人を、そのままにしたってどうせ結局課金者にはならないから、だったら少しでも課金へと持っていくため、過激なアタックで動かそうという戦略だ。
大多数が「荒唐無稽」「そんな話あるわけない」と思っても、数パーセントが間に受けて、引っ掛かってくれればいい、という考えだ。
基本はお金で釣る系が多く、これは出会い系アプリ内もそうだし、一般的な迷惑メールでもよくある話で「今日中に1000万円受け取ってください」とかだな。
とにかくお金の話を最初からしてくるようなメッセージが送られてくるのは悪質サクラアプリの特徴と言える。なんにせよ、女性側から届くメッセージはほぼサクラの「アタック」だと疑って欲しいってことだ。
なるべくなら、出会い系アプリ内のアクションは自分から起こすようにしよう。
コンビニとかで親近感を出してきたら怪しいと思え
アタックに返事しちゃった、もしくはこっちからプロフィール検索でアプローチをかけた、などで会話が始まったする。上に書いたけど会話の最初に「どこに住んでる?」と聞いてくるのはサクラの習性だ。
そして「○○ってコンビニあるよね?」と、さもその辺に住んでる感を出すのもお約束。この会話の流れになったら、まず怪しいと疑おう。ネットがあればどの駅前のどの位置にどんなコンビニがあるかなんて、調べればすぐわかるからな。
サクラがコンビニを例に出すのが多いのは、全国規模で展開していて、自社のホームページ内で店舗の詳細を紹介しているから、てっとり早いからだ。
「どこどこ5丁目店だよね?」とか、コンビニの正式な店名まで言ってくると、完璧に怪しい。自分が普段コンビニに行くときに、そのコンビニが「どこどこ何丁目店」とか意識している人はほとんどいない。でも、サクラはネットで調べるから「どこどこ何丁目店」まで書いちゃう。これは習性ゆえの穴だな。
顧客満足度は無視!ひたすら会話させたい悪質なサクラたち
サクラバイトは歩合制で働き、頑張れば頑張るほど稼げるという話もたよな。要はサクラとして、よりたくさんの相手とよりたくさんの会話をすればいいわけだ。
サクラバイトとすれば、会話がスタートした男=カモが課金で得たポイントを自分との会話で使ってくれるのが嬉しい。だから、サイト全体の信頼性とかはお構いなし。
会えるかも、エッチできるかもと散々思わせといて引っ張って、結局会えないわけだが、それでその男=ユーザーが「このアプリは悪質アプリ。もうやんない」と思われようが、目先の歩合のほうが優先。悪質業者としてもそれは黙認していて、長く使ってもらう気はない。
とにかく、ちょっとでも長引かせようというまだるっこしい会話をしてくるようならそれはサクラ。本当に会いたい女性なら、スパッとアプリ外の連絡手段に切り替えるはずだ。
そんなわけで元サクラ目線で出会い系アプリのサクラの習性、見分け方を書いてみた。
出会い系アプリをやっていて、上に書いたような傾向をちょっとでも感じたら、悪質出会い系アプリだと考えていいだろう。
そんなしょうもないアプリに課金するなら、ちゃんとした優良出会い系サイトで金を使って、本当の出会いに持ち込むことを考えよう。